「いい歌だよね…」
視聴コーナーで一緒のヘッドフォンをして聞いた歌でつぶやいた。
歌に込められた想い
「ユン!」
「わーわわわー!!だっ!!」
「…!?」
「???」
「何?その、妙なハイテンション…」
するとユンは、『久しぶりにに会えて嬉しかったから』と言った。
あたしのついていけないようなハイテンションで一人で盛り上がる、
李潤慶は、韓国人であたしの彼氏でもあって…。
今日は韓国からやってきたユンを迎えに来たのだった。
「英士なんかとはもう会ったの?」
「ううん、まだだけどー。」
「会いたいんでしょ?」
「え?何でー?」
「顔がそんな表情してる。ほら、行くよ。」
無理矢理に連れて行こうとするとユンはあたしの手を握った。
少し照れを隠しながらあたしは早足で歩いた。
「英士ー!あ、結人も一馬も居るー!!」
「久しぶりだな、ユン。」
「皆元気そーでよかったよ!」
「も元気みたいだね。」
「勿論でしょ。元気じゃなかったらあたしじゃないじゃない?」
「それもそうだなー。」
久しぶりの再会もつかの間。
それからすぐに歩き出す。
5人並んで歩く姿は、どう見えるんだろう?
ユンとあたしのつながったままの手は?
何?どう見えてるの?
人の目が気になって…仕方ないよ…。
「あ、CDショップ!ちょっと寄っていかない?」
そういったユンの一言であたしたちはCDショップに立ち寄った。
ユンとあたしは一緒に行動した。
…だって、まだつながっているから…。
「ねぇ、ねぇ!ー。これ、聞いてみようよ。」
「んー?いいよー。」
あたし達は一つのヘッドフォンで一緒に歌を聞いていた。
「いい歌だよね…」
「僕は…あんまりよくワカラナイけど…」
「何今更片言の日本語喋ってんのよ。」
「だってー。」
「サザンオールス○ーズかぁー。」
「何?知ってるんだ?」
「うん。『君こそスターだ』好きだね、これ。」
「ふーん。」
「でもさー、あたしはもっとユンの事が好きだよ?この歌よりも、何よりも。」
「…。……わ、どーしよ。とにかく。大好きだーっっ!!」
「コラッ!ユン!やめてよ。」
「だって僕、嬉しかったんだもん。」
幼い…。
そう感じてしまった。
第一印象もそうだった気がする。
ユンはどこか可愛いところがあって、従兄弟の英士とは正反対だ。
声や顔なんかは似てるのに、ね。
聞き終わったあと、小声だけど少し言ってやったんだ。
『あたしのスターはユンだよ。だから、あの曲…あの題名…好きなんだ』
よかったよ、ユン。
あたしのこと、好きだって言ってくれてありがとう。
あたしもずっとずっと、大好きだから。
ユンこそあたしのスターだ。
いつまでも、ね。