小指には、魔法がある。

二人の約束を繋ぐ・・・魔法。

それは単なる約束でしかないけど、

きっと・・・



pinkie swear -小指の誓い-



「ホントに、次は・・・ないの?」

「絶対にあらへん。」

「あたし、信じていいの?」

「なんや、俺のこと信じてへんのか?」

「信じてないわけじゃないけど・・・・。」

「せやったら何でや?」

「シゲはいつも嘘をつくから・・・。」

「今回で最後や。」

「いつも聞いてるよ。」

シゲとはもう、何年の付き合いになるだろう?

中2のときに知り合って・・・今高3だから、5年?

意外と長いけど、そんなモンなんだ。

「せやから、最後やって。」

「本当に最後なの?」

「絶対や。」

「信じて・・・いいの?」

「ああ。」

「わかった・・・。」

最後だからね、そういっていつもいつも小指を差し出してしまう。

浮気をするのが最後?

それとも・・・

あたしとシゲも最後かもね。

なんてね。

こんな感じなのに今まで5年もよく続いたよ。

5年って、長いんだね。

「小指の誓い・・・。」

「せやな。」

「守ってくれるんでしょ?」

「守るって言っとるやん?」

「・・・信じてる。本当に次はない・・・って。」

「もちろんや。」

浮気、って何?

どこからが浮気で、どこまでが浮気じゃないの?

そんなのもう、わかんないよ。

シゲに裏切られてるのかな、って考えて・・・

ずっと考え続けても答えが出ない。

だから、別れられないのかもね。

・・・不思議な話。

「やっぱり、シゲが好き。」