恋には色々あるけど
あたしのはわりと特別な感じ
小学校の頃から知ってる幼なじみに
恋をした。
恋の方程式
今の時代流行りはメールでの告白。
悪いとは思わないけど、どうせ告白されるなら顔を見て言われたい。
メールだったら相手の事、よくわかんないじゃん?
だからあたしはメールで告白されたりしたら断る。
どんなにカッコよくても
どんなにカッコ悪くてもね。
男は勇気のあるやつがいいよ。
ってそんなあたしがこんな告白のされ方でOKを出すなんて思ってなかった。
電話の相手はいつも友達のか幼なじみのアイツ。
小学校の頃から知ってる、山口圭介。
中学を卒業しようとしている今でも仲はいい。
今日もきっとそんなアイツからの電話はかかってくるんだ。
「もしもし??」
ほら、やっぱりね。
「そうだけど。」
「相変わらず冷たいな。」
「圭介は女の子に優しすぎるんだよ。」
「え?何だって?」
いつもこの会話から始まる。
ここから圭介が色んな話を振ってくる。
「そういえば、さぁ、彼氏いたっけ?」
「何でいきなりそんな事聞くのよ?」
「興味があるから?」
「あっそ。」
「で?いるの?いないの?」
「…いないよ。」
「マジで?」
「マジで。」
「じゃぁさ、、俺と付き合わない?」
「………」
「?聞いてる?」
「何て言った?」
「そんな事何回も言わすなよ。」
「だって…圭介が変な冗談言うからじゃん。」
「冗談じゃねぇよ。」
「いや、冗談でしょ?」
「だから違うっての。」
「…わかった。いいよ。」
「マジ!?」
「ただし、圭介があたしに勝ったらね。」
「何で?」
「賭け、で。あたしの今考えてる数字をあててほしいの。」
「わかった。」
「一桁の数字を1つ。さぁ、何でしょう?」
「ヒントは?」
「1つだけあげる。5の次の数字。」
「6…」
「正解。というわけで、よろしく圭介。」
あたしはずっと圭介が好きだった。
ずっと言えないし、素直になれないから…だからあんな賭けをした。
好きな人が相手だったら何でもいいんだよ。
ね?
そうでしょ?