いつの間にか君の事、ずっと意識してた―――――



意識-意識



「…あははははっ、ひーー…っ。もう、あははっ、可笑し…」

そこで笑い転げてるは俺のクラスメイトであり、一番の女友達とも言える。

呆れるほどに明るいヤツで、よく笑ってる。

俺とは正反対の性格かもしれない…。



「ね、ねぇ水野…」

「何だよ?」



まだ笑いながら言うは暫くこの笑いは収まらないと思う。

椅子に腰掛け、偉そうに腕を組み、そして笑う変な組み合わせ。

そのが俺に声をかけてきた。



「あたしさー…」

「だから何なんだよ。」

「お、タツボンにやん?」

「…シゲ…。」

「何や?。タツボンと何話しとったんねん?」

「べ、別にー。シゲには関係ないよん!」



ベーっと舌を出したはいつの間にか笑いは止まっていた。

そして、真剣な目。

俺の見たこともないようなの目。



「あ、そや。、ちょっとえぇかー?」

「何よ。」

「用事やて、用事。」

「用事…ねぇ。シゲの用事はたいしたことじゃないからいっかー。水野ー、ちょっと行ってくんねー。」



俺に「行ってくる」なんて何故言ったのだろうか?

俺に言う理由なんて、正直なかっただろうに。

ただ、俺と話していたから?

それだけの理由なのかもしれない。

でも俺には少しだけ嬉しく感じられた。





「シーゲ!用事って何かしらー?」

「んー、まぁ、ゆっくりしていきぃ。折角の屋上やでー?」

「そりゃぁ、したいんだけどねぇ。屋上は空が見えるし。でも…」

「空が見るん、好きなんやろ?ゆっくりして行きぃ。」

「そうしたいんだけどねぇ。」

「何や?タツボンと喋りたいんか?」

「…バッ、バカ!!何言ってんのよ。」

「へぇ、そうなんかー。あ、。顔真っ赤やでー?」

「何、ニシシシ笑ってんのよ、気持ち悪い。とにかく!あたしは帰るからね。」





どこに行っていたか知らない俺は少し気になった。

でも、はすぐに戻ってきた。

いつも通りの元気で明るい「ただいまー」という声で。



授業中もいつもどおり…って俺は何でばっか見てるんだ!?

どういうことだか知らないけど、俺は今日が気になってる、というか

意識しっぱなしだ。



「あのさー、水野。」

「何だよ?」

「さっきのことなんだけどねー。」

「ん?」

「あたし、結構さ、水野のこと好きなんだー。」



…黙ってしまった。

でも、やっぱりそれなりに嬉しい。

なぜかこんな冷たいような言葉でも、俺にとっては凄く暖かく感じられた。





俺もいつからかのこと、意識してたから。


好きという気持ちは俺の中にあるかわからないけど。