最近は、聞かなくなっちゃったけど…あの言葉、大好きだったよ。





愛してる





「亮…」

「あー、。」

「あたし…亮に話があるの。」

「今?」

「うん。」

「わかった。どこで?」

「屋上、来て。」

スッと立ち上がる亮。

 

違うクラスで武蔵森の人気者。

 

性格は悪いように見えるけど、本当はいいやつなの。

 

わかってる。

 

…でも。



最近ね、好きだって、言ってくれなくなった。

 

亮は、あたしといても楽しくなさそうで…どう接していいかわからない。

 

会話も減って、一緒にいることも減ってしまった。

だから…

「別れよ…亮。」

「は…?お前、何言ってんだよ!?俺のこと…」

「嫌いじゃないの。嫌いじゃないから…つらいの。好きだから…。」

…。」

「ごめんね、亮。…バイバイ」

あなたに背を向けたとき、あたしはすべてが終わったと思っていた。

悲しくて悲しくてどうしようもなくて…あたしの心はもうめちゃくちゃだった。

どうしていいかなんてわからなくて、ひたすら歩くことを選択する。

どうしよう…亮とはもう、さよならだよ。

 

バイバイ、って言っちゃったんだよ。

 

好きなのに…。

 

好きだから…亮とはもう、さよなら。



「バカかよ、お前…。」

「亮?」

「好きだ。俺が告った時…俺、なんて言ったか覚えてるか?」

ひとつひとつ確認しながらゆっくりと声に出す。

恥ずかしいセリフ。よくこんな言葉言えたよね。

「好きだ、絶対幸せにする、ずっと守っていく、生涯好きでいられる自信がある」

「俺が好きじゃないなんて言ってねぇだろ、バカ。生涯、一生涯だぜ?好きでいられる自信があるんだから。」

「亮…。」

「好きだ。別れるなんて…言うなよ。」

「…うん。」





「亮?」

「…」

「浮気してんの?」

「してねぇって、それはただ仕方なく…」

「亮のバカっ!!別れるっ」



でも…今は…

わかってる。

合コンなんか行ってたって、亮はあたしが好き。

そして、あたしも…。

「やっぱ、ヤダ。亮が好き。」

そうして戻っていってしまうのは、亮がこの上なく好きで好きで仕方がないからだと、思う。

ずっと、貴方が生涯あたしを愛してくれているのと同じように…。

あたしも、ほら。

「亮!愛してるよ。」